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接着治療

接着治療で歯や歯根の
ヒビを修復して抜歯を回避

一般的には、歯や歯根にヒビが入ってしまうと抜歯と言われてしまいます。
抜歯という選択肢が必ずしも間違っている訳ではありません。

しかしながら、今まで診てきた患者様の中には抜歯する必要のない歯でも「抜歯が必要」と言われてしまっているケースも多々あるのです。
歯を一度失うと元には戻りません。なるべく長くご自分の歯を使っていただくために、当院では独自の接着治療により、抜歯を回避できるように全力を尽くしたいと思っています。

目次

こんなお悩みはありませんか?

  • 歯が痛む
  • 歯ぐきが痛む
  • 歯ぐきが腫れる
  • 噛むと痛い
  • 歯に違和感がある
  • 歯がぐらぐらする

当院の治療方針

歯が割れてしまったりヒビが入ってしまっても「自分の歯をできるだけ長く残したい」そのような方のために破折歯接着治療があります。
破折歯の治療方法は主に2種類あります。

破折歯を抜かずに接着する「口腔内接着法」と、破折歯を一度抜いて接着して戻す「口腔外接着法(再植手術)」があります。

当院では、接着剤にこだわりを持ち、さらに効果を最大限に得られるように工夫をしております。
また、「マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)」「歯科用CT」を使い、より精密でレベルの高い治療を目指しております。

接着治療について

接着治療とは

接着した材料を長くもたせることにより歯のトラブルを防止し、歯の生存率を上げ、同時に抜歯のリスクの低下を期待できます。
更に歯科用顕微鏡であるマイクロスコープや歯科用CTを使い、治療後のトラブルの発生率を最小限にとどめる工夫をしています。

接着治療のメリット

●なるべく歯を削らない

接着剤の効果を最大限に発揮するためできるだけ削る量を減らすことができる

 

●歯の神経を残す

歯を削る量を最小限にできるため、歯の神経を温存できる可能性があがります。

 

●たとえ神経をとってしまった場合でも長くもつ

歯を支える土台部分であるグラスファイバーにも接着を考慮した特殊な素材を使用しております。

 

●歯のヒビをくっつけることができる

歯のヒビを接着することは不可能とされておりましたが、工夫することにより接着することが可能になりました。

接着治療で使う機材

●スーパーボンドC&B(化学重合型接着性レジン)

接着性モノマー「4-META」と重合開始剤に「TBB」を採用しているMMA系の接着剤です。
生体親和性が高く、歯質はもちろん、歯科用金属合金、樹脂であるレジンにいたるまでさまざまな素材に強力な接着性をみせます。
また、接着被膜が極端に薄くでき、接着面から重合が始まるため、強固に接着します。

 

●光重合型接着性レジンセメント

色調安定性に優れており、象牙質と緊密に接合する接着剤です。
天然歯に似た蛍光性を持っており、セラミックなど高い審美性がもとめられる治療にも安心して使えます。
また、使用方法が簡単なため、比較的一般的な歯科医院で多く使われており、最近ではデメリットも解消されてきました。

破折歯の接着方法

接着方法には2種類存在します。

●口の中で接着する方法

こまかなヒビを接着剤で固める作業は、肉眼では難しく、歯科用顕微鏡であるマイクロスコープを使って行います。
①ヒビの入った部分を薄く削ります。
②その溝に接着剤であるスーパーボンドC&Bを流し込みます。
③接着剤が固まった後に表面をなめらかにして修復完了です。

 

●口の外で接着する方法

口の外で接着する場合は、一度歯を抜く必要があります。
取り出した歯をマイクロスコープで確認し、炎症のみられる部分を除去した後に上記と同じ手順で修復します。
その後、再度口の中に戻して終了です。
破折してから長い期間が経っていて抜歯しか残っていないケースの最後の砦ともいえる処置です。

i-TFCシステムについて

i-TFCシステムとは

i-TFCシステムとは、「歯根の治療」「歯根の空隙封鎖」 「土台作製」を効率良くまとめて行うことを表しています。
歯根破折が起こらないよう支柱材料を改良し、接着剤を使用して内部を隙間なく封鎖、そして最終的な被せ物を行うための土台作りまでを一貫して行う治療システムです。
歯は神経を失うと栄養が行き届かなくなるため、とてももろくなります。
いつヒビが入ってもおかしくない状態をカバーして他の歯と同じように保つには、i-TFCシステムが欠かせません。

i-TFCシステムと
一般的なグラスファイバーによる方法の違い

●i-TFCファイバー

グラスファイバー繊維を編み込んで作成しており、グラスファイバーの繊維の間に接着剤が浸透するように作られているため、より歯の根に負担がかからないように、応力の集中をさけ、歯を割れにくいようにしております。

●一般的なグラスファイバー

グラスファイバーとは歯を補強する支台のことを指しており、一般的にはグラスファイバー繊維をコンポジットレジンというプラスチックの樹脂で固めてつくられています。

i-TFCシステムを使うメリット

●歯根破折がおきにくくなる

しなやかで丈夫な性質を持っているため、「歯」「人工物」の接合面に加わる力を均一にすることが可能です。
全体で吸収できるため、歯根破折のリスクを減らすことができます。

 

●通院回数が少なく済む

一体型であるi-TFCシステムを使うことで、手間が省けて治療回数が少なくなります。
治療回数が少なくなれば、そのぶん通院期間も短くなる可能性があります。

 

●細菌感染のリスクを減らせる

「根管治療」「支台築造」の間に時間を挟まないため、細菌感染のリスクを減らすことができます。

 

●安全な再治療が可能

根の治療に必要な隙間を開けられる工夫がされています。
そのため、万が一再治療が必要になっても歯の負担を最小限に減らすことが可能です。

 

●歯を削る必要がない

i-TFCシステムで使用するファイバーは、従来のものとは違い削ることができます。
その分歯を削る必要がなくなり、より破折のリスクを下げることが可能になりました。

接着治療で対応できる症状

虫歯

従来の虫歯治療では、詰め物をするために健康な部分まで削る必要がありました。
理由は、使用していた歯科用セメントが接着ではなく、隙間を埋めるタイプのものだったからです。
隙間を埋めるだけの歯科用セメントを使うには、どうしても歯の形をはめ込み型に削らなくてはなりません。
接着剤が普及したことで、歯を削る部分を最小限におさえることが可能となり、治療時間の短縮にも役立っています。

●唾液で溶ける心配がない

従来の歯科用セメントは、唾液の成分によって溶ける性質を持っていたため、被せ物をして長期間経つと、被せ物と土台や歯根である天然歯との間に隙間ができました。
隙間には汚れや細菌が入り込むことから、虫歯の再発は珍しくありません。
接着性レジンセメントは唾液に溶ける心配がない分、虫歯の再発予防に役立つといえます。

歯ぐきの腫れ

歯根が破折すると、破折した部分で歯ぐきの内側を傷つけたり、隙間に細菌が入ったりして歯ぐきが腫れることがあります。
軽い腫れならまだ良いのですが、場合によっては根尖病巣(歯根の先に膿がたまる病気)を誘発し、それによって歯ぐきだけではなく、顎骨にも影響がでることがあります。
顎骨は簡単に修復できる組織ではないため、影響がでる前の対処が大切です。

●歯ぐきの腫れは口臭の原因にも

歯ぐきの腫れ出血悪化時の排膿口臭の原因になります。
口臭が強ければそれだけ歯ぐきや歯根内部の状況は悪い傾向にあるため、注意が必要です。
特定の歯から嫌な臭いを感じたときは、なにかしらのトラブルがおきている可能性が高いといえます。

噛むときの歯の痛み

噛んだときに特定の歯が痛む場合は、目視で確認できない部分が破損している可能性があります。
神経を抜いた歯は、虫歯による痛みは感じません。
そのため、圧がかかったときに破折部分が動き、歯ぐきの内側に当たって痛みがでていることが考えられます。

●噛むときのストレスは消化不良を招く場合があります

噛むたびに痛みを感じていると、無意識に噛むことを避けるようになります。
咀嚼回数が減少すれば食べ物が固形のまま胃に入りやすくなるため、そのぶん胃の負担が大きくなります。
消化不良を避けるためにも、痛みを感じたときは早めの対処を心掛けましょう。

歯根の破損

これまで何度もお伝えしているとおり、歯は神経を失うと栄養が行き届かなくなってもろくなります。
耐えられていた力にも耐えられなくなり、数十年も経てばヒビが入っていてもおかしくありません。
歯が割れるという症状は決して珍しいことではなく、これらの症状が「歯の寿命が短くなる」といわれる理由にもなっています。
神経を失った歯を長期間使い続けるには、歯をできるだけ削らないように工夫できる接着剤の存在が欠かせません。

歯のヒビ

歯にヒビが入る原因は、長年の負荷の蓄積です。
咬合力や加齢にともない歯の耐久性は低下していきます。
今までと同じように使い続けるためには、どうしてもそれなりの工夫が必要です。
対処法が抜歯のみだった症例も、接着剤の普及によって保存できる確率が上がりました。
入れ歯やブリッジ、インプラントなど歯を失った後の処置が避けられる点も、接着治療を行うメリットといえるでしょう。

当院の接着治療の流れ

01

予約を取る

当院は、原則予約制です。
お電話でご予約を承っております。

02

受付・問診表の記入

初診の方には問診票を書いていただきます。
10分前にお越しいただけると、スムーズにご案内できます。

03

問診・各種検査

症状を聞いてお口の中を確認します。
歯の状態を確認するためにレントゲン撮影やCT撮影を行います。

04

治療計画の説明

検査結果と今後の治療計画をお伝えします。
レントゲン写真やマイクロスコープで見た映像をご覧いただき、分かりやすく説明いたします。
気になる点がございましたら、お気軽にご相談ください。

05

治療開始

治療計画に問題がなければ、治療を開始します。
時間を必要とする難しい治療の場合は、後日しっかり時間を確保して治療をすすめていくこともあります。
かならず当日に治療できるとは限りませんので、ご了承ください。

診療にあたっての
注意点・リスクについて

治療を受ける前に把握しておきましょう

●完全に破折しているケースは当日治療ができない

こまかなヒビではなく、完全に破折しているケースは当日の治療が難しいことがあります。
破折前に対処するためにも、定期検診でのチェックがおすすめです。

 

●修復したからといって一生使えるわけではない

一度入ったヒビは、修復はできても完全になくすことはできません。
修復しても他の部位よりは脆いため、硬い食材は他の歯で噛むなどの工夫が必要になります。

 

●何度も行える処置ではない

歯にも限界があります。
接着治療でいくら歯を削る量が少なく済むとはいえ、繰り返し行えばそれだけ歯には負担がかかります。
何度も行える処置では無いことを忘れないでください。

 

●必ずできる処置ではない

抜歯のリスクを下げることがメリットである接着治療ですが、症状によっては抜歯せざるを得ないケースも存在します。

よくある質問

治療時間はどのぐらいかかりますか?

1回の治療のお時間は45分位ですが、手術の場合は90分位かかることもございます。

接着治療後はどのぐらい持ちますか?

歯の持ちは、ご来院いただいた時の破折歯の状態や患者様の口腔内環境、生活習慣によって異なりますので、どれくらい持つと一概には言えません。

接着治療は何歳からできますか?

接着剤を使用した治療は、歯根の破折だけではありません。
転倒やなにかにぶつかって歯がぐらついてしまったときの固定にも役立ちます。
乳歯の固定にも使えますので、特に年齢制限はないといえます。

歯磨きは今までどおりやっても大丈夫ですか?

はい。今までどおりしていただいて大丈夫です。
歯のぐらつきを止めるための固定として、歯根ではなく歯冠(歯の頭の部分)で接着剤を使用している場合、そこに汚れがたまりやすくなります。
強力な接着性があって簡単には外れないため、しっかり毛先を当てて磨きましょう。
外れた場合は歯科医院でつけなおしますので、ご連絡ください。

他の歯科医院で抜歯が必要だといわれましたが対応できますか?

歯科医院の中には、積極的に接着治療を行っていないところもあります。
対応が可能かどうかは直接みないことには判断しかねますので、一度ご来院ください。

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著者 Writer

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関屋 亘(セキヤ ワタル)
【所有資格】日本接着歯学会 専門医 / 日本口腔インプラント学会 専修医
【生年月日】1979年6月11日

▼ご来院される患者さまへ一言
一生懸命、治療させていただきます。
お口のトラブルにお悩みの方、ぜひ当院へご相談ください!

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14:30〜19:00
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